木造建築の高耐久化に関する研究

■木造建築の劣化予測モデルに関する研究

戸建住宅が解体されるまでの年数はアメリカ55年、イギリス77年に対し、日本は30年と言われています。これは住宅に対する居住者の意識の違いもありますが、湿潤や多雨といった気候風土が影響していると考えられます。

そこで、建物内外の温湿度や雨がかりから、「木造建築の躯体がどのように劣化するか」、「どんな対策を採れば何十年若しくは100年を超える耐用年数となるか」、といった疑問を解決するための予測モデル開発に取り組んでいます。

屋根の劣化被害事例
屋根の劣化被害事例

屋根の劣化予測モデルの概要
屋根の劣化予測モデルの概要

木材の腐朽実験の実施状況 木材の腐朽実験の実施状況
木材の腐朽実験の実施状況

■予測モデルによる住宅の劣化事例の解析

日本の気候風土を無視し、近年のコスト・デザインを優先した建物では、従来に比べ躯体が劣化する被害が増えています。そこで、実態調査で劣化が発見された建物に対し劣化の程度を測定するとともに、その原因を推測し、本研究室で開発した予測モデルを適用してみました。

予測モデルによる解析によって、木材が劣化する過程や漏水発生時期がおおよそ判りました。

調査物件の外観と劣化部位 調査物件の外観と劣化部位
調査物件の外観と劣化部位

劣化した野地板(左)と木材繊維の顕微鏡観察(右)
劣化した野地板(左)と木材繊維の顕微鏡観察(右)

劣化の進行過程の計算結果
劣化の進行過程の計算結果
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