最近の住宅はリビングに吹抜けやリビング階段を設けるケースが増えています。確かに、意匠や動線の観点では吹抜けのあるリビングや、家族が必ず顔を合わせるリビング階段に人気があるのは理解できます。しかし、暖房中の吹抜けのあるリビングは同レベルの断熱性を備えた住宅に比べ、寒く感じることが多いことはご存知でしょうか?
これは、部分間欠暖房という在室空間のみ暖房する方式を採用することによって、他の空間で冷やされた冷気が足元に流れ込み生じる現象です。結果として、同じ暖房温度でもエネルギー消費が増加するといった現象が起きています。
このような温熱環境の評価や、温度ムラの防止といった検討を行っています。
断熱性能が低い住宅や階段室が繋がったリビングでは、足元の温度が低い、足元にすきま風を感じるといった現象が起こります。このような現象は、住宅だけでなく事務所などの非住宅建築でも生じている可能性があります。そこで、足元からの熱の損失と温冷感に対する被験者の申告を調べ、温熱環境を現場で簡易に把握するための人体の足の部分を再現した「模擬脚部」の開発に取り組みました。