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高校生サイエンスキャンプ参加者の皆さんへ


2012年度の工作例
 2011年度は集光型2台(1台は大学生の飛び入り参加)、箱型4台、パネル型4台を作りました。今年はパネル型が奮闘してくれました。それぞれについて解析結果をまじえて説明しましょう。


パネル型ソーラークッカーの製作例

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 写真からは分かりづらいですが、左右には約60度に開いたV字型のパネル、上下にはさらに鋭角なV字型の構造となっています。V字型のミラーは下の図のように光が集まる部分を持っています。この傾向はV字が鋭角になるほど顕著です。しかしあまり鋭角にすると指向性が強くなり、方向調整が頻繁に必要な反射板になってしまいます。

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 これはCookitに近い形ですが、冬の太陽高度に対応できるよう背面のパネル3枚が上下を入れ替えて取り付けられるようになっています。賢いアイデアですが、春や秋に対応するにはもう少し形状の工夫が必要です。冬の圧縮係数は5.6とりっぱなものです。

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 こちらも上の例と同じで背面パネルをより倒し込んで冬の太陽高度に対応しています。Cookit同様、切込みを入れてクリップが必要ない構造としています。ただ、このままの形だと夏の太陽高度に対応するのはちょっと無理があるようです。鍋の下に五徳を入れてより集光率を上げています。

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最後のパネル型は本学のEducooker002と後半の形状が良く似ています。90cm×120cmの段ボールを使用しているので、余った部分で反射板を追加していますが、その角度が絶妙でした。このクッカーがパネル型の中では一番威力があったようですね。002でさえ圧縮係数は6.6ですから、このクッカーは+αのパワーがあるはずです。

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箱型ソーラークッカーの製作例

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この箱型は極めてオーソドックスな作りです。庫内を浅く、また光をたくさん取り入れられるように開口部を大きくし、底は黒アルミ箔が貼り付けられています。残念なのは角度固定用の第2ブースターミラーが左右逆に取り付けてしまい、太陽が動くと(北半球では)光をさえぎってしまいます。ただ頻繁に方向調節をしたので、温度上昇は他のものに比べ、良い結果となりました。

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この箱型は内箱の背面の壁面が浅すぎてせっかく庫内に入った光がまた反射して出て行ってしまいます。ブースターミラーは向かって左のものは上記の例同様光の邪魔になるので倒してあります。庫内に入った光も反射させて鍋に当てようとするならそれなりの形状が必要になります。同じような作りにしてしまった班がもう一組ありました。

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この箱型も同じような内壁の角度になっているのであまり光は鍋に当たりません。底面を黒くしたのは効果的かもしれませんが、やはり鍋に直接、あるいは1度反射して当たる光の量が一番出力を左右します。

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 こちらの箱型は少し通常のセオリーから外れた作りをしています。庫内の容積は小さい方が有利ですが、開口部まで小さくすると十分な光のエネルギーを庫内に導くことができません。このクッカーはブースターミラーをわずかに湾曲させ、小さな開口部からうまく光を落とし込んでいます。

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集光型ソーラークッカーの製作例

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集光型を大きく作りたいという希望があり、支柱も含め段ボールで作れるぎりぎりまで大きくしました。直径は120cmあります。さすがにパワーは圧倒的で、30分で400ccの水は沸騰してしまい、その後はお赤飯を2合炊きました。多面体で半径方向4分割、周方向16分割になっています。多面体にした場合の圧縮係数は12.1でした。

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 上の3つ目の図は多面体で計算したものです。実際の光束密度は図の9倍で計算しています。圧縮係数は12.1でした。

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 続けて飛び入りの大学生チームによる直径120cmの円錐型ソーラークッカーです。こちらはV字型ミラーを軸対象にした形状で、こんな単純な形でも結構光を集めることができます。解析では圧縮係数は14以上もあります。が、こちらのクッカーの方が高校生の作った多面体パラボラより沸騰に時間がかかっています。焦点がなく、鍋の位置を決めづらいため、それを少し間違えただけでも最大の出力からはかなりかけ離れた性能になってしまいます。400ccの水を沸騰させるのには40分かかりました。

 今年も全員健闘しました。楽しんでもらえましたか?

それでは次回の皆さん、心よりお待ちしております!足利工業大学総合研究センターで会いましょう。

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