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高校生サイエンスキャンプ参加者の皆さんへ


2010年度の工作例
 2010年度は集光型3台、箱型4台、パネル型3台を作りました。箱型については2008年、2009年の解析結果を参考にすると結果との関連が予想できると思います。今回は集光型とパネル型について解析結果をまじえて説明します。


パネル型ソーラークッカーの製作例

H22SC1
H22slide1

 SCIのSolarCooKitを2段に上積みしたようなパネル型です。上の段は少し角度がきつくしてあるため集光率に貢献しているようです。夏の太陽高度ならCooKitでも十分日本で調理が可能です。

H22SC2
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 底辺の正六角形を基本に、各辺を延長して切り込みや折り目を入れたとても複雑な形状をしたパネル型です。夏の太陽高度に対しては結構集光できているようですが、ずば抜けた集光率というわけではありません。それでもこのクッカーの温度上昇が優れていたのは、針金で鍋の台座を作り、底を持ち上げたため、伝導による熱損失が少なかったからだと考えられます。

H22SC3
H22slide3

 切り込み、折り目は実はEducooker002と003の作り方から半々を取り入れた例です。前部はEducooker003、後部はEducooker002となっています。集光率はパネル型としてはかなりりっぱな値です。ただ、この太陽高度だと最前部に付け足した部分はまったく寄与していないようです。

集光型ソーラークッカーの製作例

H22SC4
H22slide4

 簡易集光型ソーラークッカーEducooker004の拡大版を分割を倍にして作る計画でしたが、切り込み部分の微妙な重なり具合を調節できずに円すい形になってしまいました。このような形でもソーラークッカーは作れます。オリンピックの聖火の採火をする集光板はこのような形ですし、フェンネル(漏斗)型という作り方も実在します。これでも結構調理はできるのですが、大きさとの兼ね合いで鍋一杯のカレーにはもう少し時間が必要だったようです。

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 この集光型は小さな平面を使ってパラボラを近似し、その平面の角度のみを残して高さ分をオフセットしたヘリオスタット型をしています。簡単な作り方ですが理論的にはすべての反射光を鍋に当てることができます。2次曲線とは傾きがxに比例して増加する曲線であるということが理解できていれば簡単に作れるはずです。

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 こちらも簡易集光型ソーラークッカーEducooker004の拡大版で、上下に反射面を延長しましたが、傾きが外周部分と同じでただ延長しただけでは思ったほど有効に反射光を利用することができません。(角度も少し付けないと反射光が鍋に向かいません。)そのため集光率は逆に下がってしまいます。それでも少しですがこの延長部分の効果もあり、調理は順調に進みました。

それでは次回の皆さん、心よりお待ちしております!足利工業大学総合研究センターで会いましょう。

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