2009年度の工作例
2009年度は集光型3台、箱型5台、パネル型2台を作りました。解析可能な形状をしているものについて説明します。
Educooker004を拡大した簡易集光型です。見ての通り、この2つは大きさが違います。
両方とも受けた光の98%、つまりほとんどを有効に利用できていますが、ということは反射板の大きな方がより
多くのエネルギーを鍋に与えているということになります。実際、今回一番加熱力が高かったのはこの大きな集光型でした。
上の2つは解析はしていませんが、ちょっとコメントさせてもらいます。箱型のソーラークッカーで、補助反射板(ブースターミラー)を3枚にしたものです。1つ目の箱型は内箱が小さく、深さが深いため庫内に入る光も少なく、また鍋に当たる光も少なくなってしまいます。庫内容積を小さくするというアイデアはよかったのですが、これだと光を有効に熱に変えることができません。
2つ目の箱型はブースターミラーの角度、とくに背面のミラーの角度が開きすぎていて、せっかく反射した光を庫内に導くことができていません。
こちらの2つはブースターミラーが2枚で、対角線方向が正面になるタイプです。どちらも良くできていますが、1つ目のものは内箱を浅く作るという工夫をしていました。これにより光を十分鍋に当てながら、温めなければならない庫内容積を小さくすることができました。どちらも調理はできましたが、いかに解析結果を示します。
2つ目のブースターミラーをわずかにカーブさせた箱型は鍋を置く位置を調節してあげるだけで加熱力をぐんとアップできることが分かります。でも反射板が湾曲していると収納しにくいというデメリットがありますね。
ここからパネル型ですが、参考までに本学で開発したEducooker003は冬でも受けた光の
47%を鍋に当てることができます。
最初のタイプは角度を変えた上の部分がまったく機能していません。また、2次元的パラボラ形状を利用するのでしたらもう少し開きを大きくして光をたくさん取り入れた方が加熱力はあがります。平面と曲面の組み合わせというアイデアは良かったと思います。2つ目のものはひとつひとつのパネルの形状を、鍋の位置や大きさを良く考えて構成すべきでした。とくに背面のミラーの大きさ、両サイドのミラーの角度には問題があります。
|