雷雲活動の監視技術の開発

都市部における雷雨は、世界各地で毎年の様に局地的豪雨による水害や、落雷による停電といった社会的被害をもたらしています。その人的・経済的被害は今後も増え続けてゆくものと考えられています。雷雨を引き起こす積乱雲の監視体制確立は喫緊の研究課題です。

lightning

局地的豪雨

雷雲センサーの開発

落雷や降雨の発生前、雷雲内では静電気が生じます。静電気の高感度検知はゲリラ豪雨等の直線予測・警報の確立に繋がるものと考えられます。本研究室では、高感度な静電気センサーの開発、また多点観測化を目的とした量産化技術の確立に取り組んでおります。

静電気計測システム

卓上CNC加工機による静電気センサーのパーツ切り出し

地上静電界の多点計測による雷雲監視の新手法開発

地上静電界の多点計測による雷雲内の電荷量や電荷高度の定量推定法の開発を目的とした取り組みです。前述の静電気センサーを数km間隔で多点設置し、多点計測データを統合することによる雲内電荷の導出を検証しています。

2020/8/27の孤立雲に対応した地上静電界分布

静電界計測網と推定電荷位置(□)

広域雷活動の監視システムの開発

本研究室では、雷から放射される電磁波のうち、長距離伝搬特性を持つELF帯・VLF帯の電界に着目した雷センサーを開発しています。これらのセンサーは少数の観測点で広範囲の雷活動監視を可能とするため、海洋域が多く密な雷観測網の整備が困難である東南アジア域での雷データ供給に貢献するものと考えられます。

ELF帯・VLF帯電磁波の伝搬の概念図

3点観測で求めた東南アジアの雷分布

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