研究テーマ

 「金属系先進材料のプロセシング」について研究しています。優れた材料が無ければ現代の工業化社会は成立しないですよね。たとえば、軽くて強いアルミニウム合金のジュラルミンが発明されていなければジャンボジェットは飛んでないし、超伝導線材が無ければ、世界最高の速度の磁気浮上リニアモーターカーは山梨県で試験運転されていません。その他にも数え切れないほど沢山あります。でも、優れた特性を発現する金属系先進材料は、概して、作製しにくいのです。
世界中で優れた研究が行われており、素晴らしい材料が発表されていますが、研究室規模の小さい状態では、どんなに優れた特性を示しても社会で役に立つものとして使えません。そこで、実用化に向けて、優れた材料の新しい作製方法:プロセシングについて研究が重要となります。
 特に、本研究室では、塑性加工を中心としたプロセシングについて研究しています。
現在は、
(1)金属間化合物超伝導材料の線材化プロセス
(2)高度塑性変形によるナノマテリアル化プロセス
(3)機能性脆性粉末を含む金属基複合材料の塑性プロセシング
をテーマに掲げています。

近年の筆頭著者論文

 (1) Superconducting properties of Nb3Al wire fabricated by the clad-chip extrusion method and the rapid-heating, quenching and transformation treatment;
  PHYSICA C, 372-376 (2002) p.p.1373-1377

 (2) クラッド圧延材を出発材料としたNb-Al合金線材の作製;
  塑性と加工(日本塑性加工学会誌) 第44巻・514号 (2003) p.p.1105-1109

 (3) Superconducting properties Depending on the Processing Parameters of Nb3Al Wires by the Clad-Chip Extrusion Method and the Rapid-Heating, Quenching and Transformation Treatment;
  IEEE Transactions on Applied Superconductivity, Vol.14, (2004) pp.1024-1027

 (4) クラッド・チップ押出し法と急熱・急冷変態法によるNb3Al線材の作製とその超伝導特性;
  日本金属学会誌 第68巻(2004)p.p.629-635

 (5) Superconducting Properties of Sn added RHQT-Nb3Al wires through the Clad-Chip Extrusion Method;
  IEEE Transactions on Applied Superconductivity, Vol.16, (2006) pp.1212-1215

 (6)  クラッドチップ押出し法による合金系超伝導材料の線材化;  
 日本金属学会誌71巻(2007)pp.978-98