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箱型ソーラークッカー製作手引きのページです。

自然エネルギー・環境実習A REE Practice A

太陽熱(中條)のテーマを実習中の学生のみ参考にしてください。



箱型ソーラークッカーの作製と性能評価

 熱箱の歴史は200年以上にわたります。光を集めることより、熱を逃がさない工夫に重点を置いたソーラークッカーです。基本形は図のように強力に断熱された箱とブースターミラーと呼ばれる補助反射板からなり、箱の上部はガラス、ビニールなどの透明な素材で密閉します。箱部は2重構造とし、間には断熱材を入れます。今回はシュレッダーのくずを利用します。日本のように太陽高度が低い地域で使用する場合、箱の内部に図のような傾斜を付け、中にも反射材を用いると十分な加熱力が得られます。この場合のブースターミラーの角度と太陽高度の関係をグラフに示します。また、ブースターミラーを2枚とし、太陽に対し対角に用いることで強力な集光が得られます。ブースターミラーの角度は各太陽高度に対し、反射光がすべて庫内に入るように設定してください。対角に用いることで2,3時間は放っておいても光を内部に集めることができますが、できれば30分に1回ほどの角度調節を行う方が良いでしょう。今回は、箱型の使い勝手も評価するということで、1時間は角度調節を行わないこととします。

TypicalBox2

typicalbox

bowltype

上の図は金ダライ型の箱型ソーラークッカーの模式図です。このような簡単なもの(金ダライの上にガラスのフタをかぶせたようなもの)でも日差しの強い、そして太陽高度の高い夏の日には調理が行えます。しかし冬には箱内部で反射した光がほとんど鍋に当たらないことが分かります。この図から分かるのは、箱内部を深く作ると特に冬に分が悪いこと、そしてブースターミラーは冬には必須であるということです。

第1日目 箱型は安定した温度上昇が利点ですが、適切に形状を決めないと冬場はなかなか庫内を温めることができません。まず、ブースターミラーの枚数、大きさをどうするか、また内箱(庫内)の色、形状、大きさをどうするか、ネット上の情報なども良く調べてグループ内で話し合い、決定してください。そのアイデアスケッチが描けた段階で1日目は終了となります。各自、A4一枚の理解度チェックシートとアイデアスケッチ(グループで1枚)を提出し、解散となります。

第2日目 アイデアスケッチに基き、以下の手引きも参照しながら製作に入ります。全体が組み立てられたら、各自、A4一枚の理解度チェックシートを提出して解散となります。

BoxMake1

BoxMake2

第3日目 組みあがったソーラークッカーを利用して水温上昇から効率を計算する実験を行います。天気が悪い場合はマトリックス型レーザー光源を用いてどの程度集光出来ているかを確認します。以下は天気が晴天の場合の作業です。測定が終了したら、各自、A4一枚の理解度チェックシートを提出して解散となります。

第4日目 今までの実験結果やチェックシートを用いて報告書を各自作製します。作成できた報告書に合格の印が受けられたら解散となります。

改良のヒント 内部の庫内形状を少し工夫したり、ブースターミラーの枚数を増やしたりできます。

Boxex1

Boxex2





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