小林研究室 Kobayashi Lab.

多結晶アルミニウムの疲労き裂形成の粒界性格依存性
2004年〜
記号Rで示されるランダム粒界やそれらが互いに連結した粒界三重点において疲労き裂が優先的に形成されることがわかった。
電析により作製されたナノ結晶Ni-P合金の組織
2004年〜
電析によって、平均粒径約50 nmのナノ結晶Ni-P合金を作製した。
電析速度は約0.1mm/hで薄板状の試料が得られた。
電析ナノ結晶Ni-P合金の高サイクル疲労特性
2004年〜
ナノ結晶Ni-P合金は、通常の結晶粒組織をもつ多結晶Niの約2倍の疲労限を示すことがわかった。
オーステナイト系ステンレス鋼における疲労き裂進展のその場観察とき裂進展過程における粒界の役割
2009年〜
局所的な疲労き裂進展速度は、粒界微細組織の影響を受けることが明らかになった。疲労き裂進展速度は、粒界を横切るとき低下するがわかる。さらに、疲労き裂進展速度は、記号Σ3で示される対応粒界に沿って進展するとき抑制されるのに対して、Rで示されるランダム粒界に沿う場合には促進された。
金スパッター薄膜の表面エネルギー駆動結晶粒成長と粒界制御

2010年〜
配線材料のエレクトロマイグレーション抑制を目的として、配線材料の粒界制御に関する基礎的研究を行った。その結果、配線材料のような薄膜材料では結晶粒の表面エネルギーの差が駆動力となる結晶粒成長が生じ、低エネルギーの{111}集合組織が発達すること、さらにそれに伴い高頻度の対応粒界が形成されることがわかった。
粒界工学に基づく多結晶ニッケル基合金の偏析脆化抑制


2010年〜
ニッケル基合金のような高温構造材料にとって問題となる不純物元素の粒界偏析によって生じる脆性を抑制するための新たな材料プロセスを粒界工学的アプローチにより検討した。その結果、ランダム粒界が優先的破壊の経路となることから、対応粒界の存在頻度を増加させる粒界制御によって、材料の破壊抵抗を向上できることを示した。


 機械に用いられる金属材料は、通常、小さな結晶の粒(結晶粒)が集まって構成された多結晶体です。この 結晶粒の大きさ・形・つながり方(結晶粒界および粒界三重点の性格・構造、幾何学的配置)によって、材料の性能は大きく変わります。本研究室では、結晶粒の大きさを通常の材料(数10μmから数100μm)よりもはるかに小さいナノメートルのサイズまで小さくしたり、つながり方を最適化することによって、材料の機能・性能を高める研究を進めています。


1. 主要研究テーマ
@ 粒界工学に基づく高性能・多機能材料の開発
A マイクロマシン用高性能ナノ結晶合金薄板の開発



2. 研究内容の概要
 
本研究室の研究テーマは大きく分けると上記2テーマのいずれかに分類されます。@のテーマでは、多結晶材料における粒界組織の設計・制御により、構造材料の破壊靭性・加工性の向上をめざしています。Aのテーマでは、最近注目されているナノ結晶材料(ナノ(10-9)メートルサイズの結晶粒によって構成される材料)の開発とそれらの機械的性質(強度と加工性)の評価に関する研究を進めています。


研究内容

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