旋回流プラズマジェットを用いた溶射技術の開発

共同研究先:東北大学流体科学研究所(2014.4-2018.3)
    大阪大学接合科学研究所(2018.4-)

 DCアークを用いる溶射装置では、溶射粉末をプラズマジェットの外部から半径方向に供給するため、粉末の溶融が不均一になり皮膜の品質がばらつくという問題を抱えている。
 軸方向からの供給が可能となれば溶射粉末溶融の均一性は著しく向上することが予想されるが、冷却が困難な中空陰極を使用する必要がある上、プラズマトーチ内部における溶融溶射粉末のノズル内壁への堆積に起因するノズルの閉塞やスピッティングなどが生じるため、一部で実用化されているに過ぎない。
 そこで当研究室では、中実陰極を用いた従来のプラズマトーチを用いた場合にも均一な溶射粉末の溶融を可能にするため、プラズマトーチ先端に旋回流形成ノズルを取り付けた、旋回流プラズマトーチを開発した。
 旋回流プラズマジェットは、プラズマトーチで形成したプラズマジェット(自由噴流)を、旋回流形成ノズル内壁に沿って下流へと放出することにより形成される。溶射粉末は、旋回流プラズマジェットの旋回軸上に沿って供給されるため、均一溶融が可能となる。
 図1に旋回流を用いた大気熱プラズマCVD(液相前駆体プラズマ溶射)装置の模式図を、図2に熱プラズマCVDによる酸化チタン(TiO2)皮膜形成中の旋回流プラズマの様子を示す。


図1 旋回流を用いた大気熱プラズマCVD装置の模式図図2 皮膜形成中の様子


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