ベン小学校・贈呈式への参加報告 |
ボランティアこぶの会が支援した3校目(共同支援を入れると4校)となるベン小学校の贈呈式に参加し、子どもさんや村人とも交流してきましたので報告します。参加者は安西敏浩(団長)、山田正六、山田晶子、箱田久美子、山田和子(敬称略)の5名です。
ベン小学校はカンボジアの首都プノンペンの北250kmにあり、コンポントム州の州都からは130kmに位置するサンダン郡メンリット集合村ベン村に、2007年 10月31日に竣工しました。SVAカンボジア事務所の八木沢克昌所長によると、今までにSVAが支援したあるいは支援が決定されている小学校約190校の中で、ベン小学校はいちばん辺境の地にあり、こんなところにも人が住んでいたのかと思われる最貧困の地域に建設されたそうです。 2月11日、朝6時半にSVAの方々と2台の車でコンポントム州の州都のホテルを出発。土煙が立って前が見えなくなるような凸凹道を約2時間走り、林の中のベン小学校(教員2人、児童156名)に到着しました。予定時刻より早く到着しましたので、子ども達が教室から急いで出てきて道の両側へ並び、「こんにちは」の大歓迎を受けました。靴を履いていない子どもも多く、今までの支援校より村人の生活環境は厳しいように感じました。 9時過ぎから贈呈式の式典は始まり、カンボジア僧侶による読経、カンボジア国旗掲揚、国家斉唱、そして郡代表、子ども代表、SVA八木沢所長の挨拶が行なわれ、その後でボランティアこぶの会を代表して安西が挨拶をさせていただきました。「この支援は、こぶ観音・明言寺にお参りにみえる何万人にも及ぶ多くの方々の善意と、当会会員の活動に支えられていること。ベン小学校の新校舎建設によって、カンボジアの未来を担う子どもさん達に教育の場を提供し、少しでも希望と夢を与えることができれば望外の喜びであります」と伝えました。 その後、州代表の挨拶、ボランティアこぶの会へのメダルと感謝状の授与、児童への文房具と移動図書箱の贈呈、場所を移してテープカット、記念帳署名、譲渡契約書署名、教室視察、全員による写真撮影、記念植樹(ブーゲンビリア)を行い、式典は11時ごろには無事終了しました。 更にその後1時間ほど子ども達との交流会を持ちました。山田和子さんの「幸せなら手をたたこう」のピアニカ演奏では子ども達も一緒に手をたたきました。大縄跳びでは失敗した子ども達を見て村人も大歓声を上げました。箱田久美子さんの「大きなかぶ」の日本語による読み聞かせでは、山田正六さんがおじいさん役、山田晶子さんがおばあさん役をするなど大活躍で、言葉は分からなくても交流は十分できたと思います。 昼食後、先生の住まいや地域の方の家を訪問し交流を深めました。この地の人は農業(陸稲、豆、じゃがいも)と時々ある日雇いの仕事で生計を立て、1日に得る収入はその日の生活を支えるだけでなくなってしまうとのことでした。このような村人が小学校周辺の整地などをして行くために、積極的に募金に取り組んでいるようでした。 贈呈式の前日(2月10日)にはプノンペンのSVAカンボジア事務所を訪問し、皆さんからいただいた鉛筆などをお届けしました。また、トウル・チェイ・スラムの見学と、スラムでのSVAによる移動図書館活動を見学させてもらいました。SVAのカンボジア人スタッフの頑張っておられる様子に感動を覚えました。プノンペンのスラムは現在約700ケ所、40万人。140万のプノンペンの人口の3割を占め、毎年2万人が農村からスラムに流入しているそうで、それはそれは大変な状況になっています。 北京オリンピックの関連や、カンボジアでの建築ラッシュで、建設資材が30〜50%値上がりしているとも聞きました。小学校でまだ15,000教室不足と聞いておりますが、これからの学校建設への悪影響が案じられます ボランテイアは「できる人ができることをする」として、できる人をどうして増やし、いかに継続するか、2年ぶりにカンボジアの現地を見て、改めて思いました。 |