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平成27年度卒業研究等

棚沢直希「福祉車両の駐停車と車いすの乗降を考慮したコミュニテイ道路の研究―足利市山辺西第二土地区画整理事業地区内の歩行者専用道路を例としてー」

 

今年度は,初めての空間デザインコースの学生の卒研に付き合った。建築系の学生である。やっぱりデザインがしたいという・・・3年生の課題研究で東武和泉駅周辺の開発プランを描いている。開発の基本計画レベルではなく基本設計レベルの課題にしたいが、面的な開発計画を描くための下水道設計や道路設計の基礎知識が足りない・・・・

そこで公共施設としては、単独の「歩行者専用道路」の設計を課題にすることにした。しかし、単なる設計演習ではない。研究である。しかし、いい知恵は出ない、前期は歩行者専用道路やコミュニテイ道路の勉強に費やした。といっても建築系学生にとっては道路構造令の勉強は大変だったようだ。

本人は、自宅近所の介護福祉施設の職員さんの働きぶりを見て、「重労働を少しでも軽減できないか」とつぶやく。視点はいい。院生が議論に加わる。「福祉車両に車椅子の人を乗せるためには「後方駐車」ができるといいね!」「それだ!」ということで、道路交通法を勉強し、足利市都市計画課と山辺西第二土地区画整理事務所のお世話になって資料を貰い、仮想設計まで取り組んだ。警察署に問い合わせて「そんなの危ないだろう」と怒られつつ、理論武装もした。問題は幅員がどうしても広くなること。そこで区画道路と歩行者専用道路の一体化で道路面積を減らすことも盛り込んで、実現性のあるプランとなった。

土木学会関東支部栃木会の技術研究発表会まで進んだ。空間デザインコースらしい研究テーマであったし、実践的な研究になったと思う。

 

 

 

松山将之等「過疎地域における高齢運転者の実態調査についてー栃木県茂木町を実例としてー」土木学会関東支部第43回技術研究発表会(東京都市大学)

 

 我が研究室の継続テーマである過疎地域のモビリテイ確保である。頑張って茂木町でアンケート調査を実施して、あれこれ分析した。結果は、80歳以上の高齢者も車の運転が大好きだということがわかった。そうか、日本のモータリゼーションの黎明期に青春を迎えた人たちだ、自動車が好きなんだ・・・・・高齢化して大変だという視点だけではなく、もちろん、車なくしては生活が難しいことは承知しているが、ドライブが好きで、おまけに交通量は少ないし、信号もほとんどない道路は、快適な運転が楽しめるのだ。

 データを一杯残してくれたが、本人は中退して公務員になってしまった・・・・・・・指導教員としては社会で活躍してくれることはもちろん嬉しいが、ちょっと寂しいのも正直な気持ちである。

 

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二人とも頑張れよ!