総合研究センター

 「風と光の広場」


ソーラーク力ーって知ってますか

               機械工学科 中條祐一 研究室
ソーラークッカーの色々
1.ソーラークッカーとは
 ソーラークッカーは太陽光のエネルギーを直接利用して調理を行なう道具に付けられた
総称です。電気釜、電子レンジ、ガスレンジが普及している日本ではソーラークッカーは
関心を持たれませんが、世界では特に発展途上国にはとても必要な調理道具です。

2.世界の調理暖房の現状
 全世界人工の約3分の1に相当する2 0億人が調理と暖房を薪(まき)に頼っています。
そして、そのうち15億人が日常的な薪不足に悩んでいます。発展途上国に於いては木材の7.5%は燃料として用いられ、これが年間20,000〜25,000kuの熱帯雨林の減少(減少全体の約10%)につながっています。

3.ソーラークッカーの効用T
 ユニセフ(UNICEF 国連児童基金)の調査によると、この3 6%はソーラークッカーに移行することが可能であり、1台のソーラークッカーで年間550 kg、全体では年間2.5億 トン(ton)、2 0 0億ドルの薪が節約できるとされています。潜在的な市場におけるソー ラークッカーの需要は2億台の規模、18 0億ドルとも見積もられています。

4.ソーラークッカーの効用U
 ソーラークッカーは薪の節約のほか、発展途上国での女性の労働を軽減する効果もあります。
 発展途上国では、女性は薪を集めるのに1日数時間を費やしています。また、家の中で調理する場合、換気が充分でないため煤煙の害を受けています。もし、ソーラークッカーに切り換えられれば、軽減した労働時間を教育や耕作に用いることもできるでしょう。

5.ソーラークッカーの効用V(衛生面の寄与)
 WHO(世界保健機構)によると全世界の発病の原因の8 0%は、汚染した水の使用であるとされています。また、急性呼吸感染症(ARI)が5歳以下の子供の死因の1/3(毎年500万人)を占めるといわれています。これらの水は、水温を6 2.8℃まで上げられれば殺菌が可能であり、この程度の温度の湯わかしなら自然条件がかなり悪くても、ソーラークッカーにより簡単に達することができます。

6.ソーラークッカーの種類とその普及
 ソーラークッカーはその構造により大きく分けて、(1)反射集光型、(2)熱箱型、(3)パネル型に分けられます。それぞれ型により特色がありますが、(1)反射集光型は、中国、チベット自治区で約20万台が実用品として使われています。(2)熱箱型はインドに約50万台あり、年間5万台のベースで増え続けています。(3)紙製のパネル型はアメリカのボランティア団体が、実験的に数百台の単位で、アフリカを中心とした難民キャンプに寄付しています。そのほか、世界のいたる所でソーラークッカーの普及活動が進められています。

7.ソーラークッカーの開発研究
 ソーラークッカーは特に発展途上国で使われることを考え、できるだけ簡単に手に入る素材
を使って、軽便でしかも熱効率のよいものをうまく大量にできるものを開発するかが勝負です。


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