わが国は周りを海で囲まれた細長い島国で台風の通り道でもあり，また地盤の深い位置には大きな断層が存在しこれまで多くの地震が発生しています．最近では温暖化ガスの大量発生による地球温暖化現象で異常気象の一つとしてとれるような豪雨が発生しています．

一方，経済成長にあわせて土地利用の拡大と急速な都市化によって災害が起きるとその被害は想像を超える場合もあります．このような災害から私たちの命や財産を守っていかなければなりません．
地盤工学は建造物，道路，鉄道，空港，堤防，基礎などの安定性を確保するために必要な工学分野の一つです．また自然環境保全と人間との共存のためにも重要な役割を果たす学問です．

足利工業大学創生工学科建築・社会基盤学系では地盤工学に関連する科目として，土質力学・地盤工学�T・水理・土質実験・卒業研究A・卒業研究B・地盤環境工学特論�T・土質工学特論の科目を設け，現在，技術者として求められる専門知識の理解と習得を目指しています．

西村研究室では地盤工学の中で，地盤・地層の不飽和領域の土壌・土質材料の強度，浸透性，体積変化などの工学的性質の解明を目的にして，実験的研究を進めています．

具体的には道路盛土、鉄道盛土、宅地地盤の安全性、耐震性や放射性廃棄物地層処分に関する科学的な研究を行っています。これらの研究は特殊な試験装置による高い測定技術によって展開されています。